即時荷重インプラント周囲軟組織の形態学的特徴と生物学的幅径

Biologic Width and Morphologic Characteristics of Soft Tissues Around Immediately Loaded Implants :Studies Perfomed on Human Autopsy Specimens
即時荷重インプラント周囲軟組織の形態学的特徴と生物学的幅径
ーヒト検体標本研究ー
出典:J periodontal/ January 2010
著者:George E.Romanos
背景
口腔内インプラントの審美性と健康は軟組織の反応と生物学的幅径(BW)に基づいています。
インプラント周囲軟組織の寸法に関する論文の大半の組織形態学的研究は動物にて行われたものであり、下顎インプラントに限られていたものでありました。今回の論文は上顎の形態学的特徴も示す、ヒト検体標本研究として貴重な論文になります.
目的
上顎と下顎に埋入したプラットフォームスイッチングを伴う即時荷重インプラント周囲におけるインプラント周囲軟組織を組織形態計測学的に評価すること
PSとはフィクスチャーとアバットメントの連結部で、アバットメントの外形がフィクスチャ―より一回り小さくなっているシステムのことです。
結果
BWは上顎では6.5±2.5mm、下顎では4.8±1.3mm(p=0.017)
歯肉溝上皮(SE)では上顎では2.7±0.8mm、下顎では1.7±0.4mm(p<0.001)
接合上皮(JE)では上顎では1.3±0.4mm、下顎では1.5±0.5mm(p<0.164)
結合組織(CT)では上顎では2.5±1.3mm、下顎では1.6±0.4mm(p=0.006)
BE,SE、CTは上顎骨の方が下顎骨より有意により長かったのに対し、JEについては統計的有意差は観察されなかった。
結論
歯科用インプラントの軟組織構成は上顎骨と下顎骨で異なっていた。