インプラント治療におけるCTの適用。統計的レビュー

著者: James Porter 出典:Ronald E Jung

出典: James Porter 出典:The International Journal of Oral & Maxillofacial Implant
Volume 24 .2009

目的
インプラント外科治療におけるコンピュータテクノロジー適用の正確性と臨床業績に関する論文を系統的に精査する。

材料と方法
取り込み基準
・精度に焦点が当てられた研究と、臨床アウトカムに焦点が当てられた研究で異なった。
・精度研究
臨床研究、臨床前研究、エックスビボ研究を取り込んだ。
実験の第一アウトカムは、コンピューター支援インプラント歯科治療の、精度であることを条件とした。
インプラント、器具の逸脱の量と方向に関する、正確な情報を提供していた研究のみ取り込んだ。

・システム:
9種類のコンピューター支援埋入システムがテストされた.

19件の研究で、1041箇所のインプラントに利用された。
9個のシステム中2個では、コンピューター支援インプラントプランニングがベースのドリルガイドが用いられた。

・エントリーポイントでの全体的な平均誤差
平均:0.74㎜
最大:4.5㎜

・先端での全体的な平均誤差
平均:0.85㎜
最大:7.1㎜

・外科用ガイドが用いられたシステムのエントリーポイントでの平均誤差
平均:1.12㎜
先端:1.2㎜
最大:4.5㎜

・動的術中ナビゲーション(14件の研究より)によるエントリーポイントでの平均誤差
平均:0.62㎜
先端:0.68㎜
最大:3.5㎜

・動的システムにて、エントリーポイントでは0.5㎜、先端では0.52㎜の統計的有意に高い平均精度が示された。

・高径の平均誤差は7件の研究で報告され、それらすべてが動的インプラントシステムを用いて、模型上で行われた。システムの精度が評価される際には、これら7件の研究中1件のみで、インプラントが使用され、他全ての研究では、ドリルホールが利用された。
高径の中間誤差:0.23㎜  最大:1.34㎜

・角度の偏差に関する情報は9件の研究より得られた。
角度の平均誤差:4.0度  最大:20.43度

精度に関しては、平均偏差の報告よりも、解剖構造に対するダメージを回避するのに必須である、最大偏差の報告の方がより重要である。

結果
・コンピューター支援誘導的インプラントシステムの平均インプラント生着率は12ヶ月で、96.6%。
・術中の問題の発生率は4.6%
・エントリーポイントでの平均誤差は、0.74%、先端では、0.85%
・安全性、アウトカム、罹患、効率という点で、コンピューター支援インプラント外科手術が慣例的な処置に優っていることを示す証明は存在しない。

結果
・フラップレスで埋入できるので、患者さんの痛みを軽減できる
・解剖学的に誤差が許されない場合に有効であると思う