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顎関節疾患と顎関節症 自信をもって診査、診断出来ますか? まとめ

Dental Daiamond 2018 10

顎関節症は、開口障害や顎関節周囲の疼痛など、顎関節症を連想する患者の訴えを呈する疾患の中のごく一部である。
顎関節部に症状がある≠顎関節症。以下に顎関節症と鑑別を要する疾患についてあげる。

・顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
A、顎関節の疾患あるいは障害
1、先天異常・発育障害
①下顎骨関節突起欠損
②下顎骨関節突起発育不全
③下顎骨関節突起肥大
④先天性二重下顎頭
2、外傷
①顎関節脱臼
②骨折
3、炎症
①非感染性顎関節炎
②感染性顎関節炎
4、腫瘍及び腫瘍性類似疾患
5、顎関節強直症
①線維性
②骨性
6、上記に分類困難な顎関節疾患

B、咀嚼筋の疾患あるいは障害
1、筋萎縮
2、筋肥大
3、筋炎
4、線維性筋拘縮
5、腫瘍
6、咀嚼筋腱・腱膜過形成

C、顎関節症

D、全身疾患に起因する顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害
1、自己免疫疾患(関節リウマチ)
2、代謝性疾患
3、その他の全身疾患

・顎関節の運動様式と開口運動
顎関節の運動は、下顎頭の前方滑走運動と蝶番運動の組み合わせで成り立っている。下顎の最大開口運動や咀嚼運動を行う上で非常に重要な運動様式である。閉口時から最大開口に至る過程で、ヒトの顎関節の下顎頭は、下顎窩から関節結節下方まで前方に滑走するとともに回転運動を行うことで、大きな可動域を実現している。左右の顎関節におけるこの運動が調和を伴って行われることで、大開口のみならず臼歯部での食塊のすりつぶしなど、効果的な咀嚼運動が可能となっている。
一般に、開口障害を呈している場合には、下顎頭の前方滑走運動が阻害されていることが多い。疼痛による開口障害である場合には、開口時の顎関節痛は、蝶番運動の範囲でも生じるのか、滑走運動に伴って生じるのかといった違いにも現れてくる。
蝶番運動のみによる開口量はせいぜい20~25㎜程度であり、それ以上の大開口には前方滑走運動が必要となる。また、下顎の運動範囲と下顎位の関係は開口運動に限れば、咬頭嵌合位~最大開口位までが上下切歯間距離で、約50㎜となる。前方滑走運動が失われてしまっている場合は,下顎を後方にひくような特徴的な開口運動を行うことが多く、頑張って開けようとすればするほど、これが顕著になる特徴がある。

これらを踏まえたうえで、顎関節の機能障害の有無を判断する。顎関節の運動に問題がないと判断するには、無痛自力開口量が上下切歯間距離で40㎜以上であること、耳前部の触診で下顎頭の前方割創が確認できること、同部に圧痛や開閉口時痛、咬合時痛を認めないこと、咬合の異常が認められないことなどが満たされることが必要であろう。

・顎関節部の触診によっても、下顎頭の滑走運動の確認は可能
耳珠の前方約1㎝のところに下顎頭の外側棘を触知するので、ここを基準点として触診を行う。顎関節痛に関しても同様。