ビーグル犬に埋入したインプラントの骨統合に対して未治療の歯周炎が及ぼす影響。

著者

Daehyun Lee等


出展

JP:2016,87,1141-1148

 

目的

未治療の実験的歯周炎を有する歯牙に隣接するインプラント周囲における治癒を調べることにある。

 

材料と方法

本研究は6頭のオスビーグル犬を取り込んだ。3名のイヌでは、スケーリングとプラークコントロールを行った。(対照群)他3頭では、リトラクションコードと結紮ワイヤーを、全ての小臼歯と第1大臼歯周囲の歯肉縁下に装着した。(実験群)

3か月後に、実験的歯周炎が誘発されたことを確認した。対照群と実験群それぞれを、インプラント埋入のタイミングが異なる(即時/成熟後)、2個の下位群に分けた。12本のインプラントを即時埋入し(それぞれのイヌで2本)、他12本を抜歯から2か月後に埋入した(それぞれのイヌで2本)。イヌをインプラント埋入から2か月後に屠殺し、組織学的分析と組織計測学的分析を行った。

 

結果

臨床的所見

対照群では、全ての術部で治癒は問題なく経過し、
炎症の有意の兆候は認められなかった。これに対して実験群では12本のインプラント中4本(即時埋入群3本、成熟後埋入群1本)が、インプラント埋入後の異なる時期に、骨統合を伴うことなく失敗した。

対照群と実験群は、骨ーインプラント接触率と辺縁骨喪失量について、有意に異なっていた。いずれのパラメーターも、実験群の方が対照群よりも、有意に劣っていた。(P<0.05)。実験群の方が対照群よりも、辺縁骨喪失はより多い傾向が認められた。

 

結論

インプラントの即時埋入は、成熟後埋入と比較した時のより高い失敗率と、関係している。未治療の実験的歯周炎は、成熟後埋入したインプラントの不良な骨統合と、相関関係にあった。