単独歯インプラント修復物と隣接歯間での、オープンコンタクトの発生頻度

著者
Spyridon Varthis等
出展
JOMI2016,31,1089-1029
目的
単独歯インプラント修復物と隣接歯間で起きるオープンコンタクトの発生頻度を調べることと、隣接歯コンタクト喪失(ICL)を防ぐためのガイドラインを、提示することにあった。
材料と方法
本研究は、後ろ向き横断的研究であった。Columbia university collage of Dental Medicine (CU CDM)とプライベート施設のクリニックに由来する、臼歯領域か、前歯領域にインプラント単冠を有する128名の患者(174個のインプラント単冠)を本研究のために選択した。19~91歳の男女を取り込んだ。インプラント修復物装着後の評価期間は、3ヶ月後のリコール時から11年後のリコール時であった。、それらは、Columbia大学の補綴レジデントと施設で行った。全ての症例で隣接面コンタクトの評価は、厚さ0.07ミリのフロスを、利用して行った。隣接歯から抵抗なしでフロスが通過した場合には、コンタクトはオープンとみなした。

結果
ICLの全体的な普及率は、52.8%であった。(174個のインプラント単冠中92個)
これらのうち、78.2%は近心面で、21.8%は遠心面であった。ICLは、上顎では57.9%で、そして下顎では49%で記録された。53.6%の臼歯部インプラント修復物で、そして47.8%の前歯部インプラント修復物で確認された。ICLを有していた患者のうち、40%と顕著な比率の患者が、ICLの存在と食物陥入を認識していた。
結論
本研究では、52.8%のインプラント修復物で、ICLが確認された。ICLは、補綴インプラント合併症の一つに組み入れられるべきであることが、本結果より示されている。ICLの発生頻度が高いことを知らせることは、正しいインフォームドコンセントのための必須であり、それと関連した臨床問題にも焦点が当てられる必要がある。
原因かもしれない要素は存在するが、ICLの原因を発見するためには、更なる研究が必要とされる。単独歯インプラント修復物と隣接歯間のICLを防止するには、Essixリテーナーを使用すると良いと本著者等は提唱する。単独歯インプラント修復物と隣接歯間における、隣接面コンタクトの検査が定期的に行われるべきである。