審美的なインプラントのための、ポケットの形状に基づく治療。パイロット研究。

著者
Gintaras Juodzbalys等
目的本パイロット研究の目的は、インプラントの即時埋入後、または成熟後埋入後に、最適なインプラントの審美性を達成するために必要となる、抜歯窩の軟組織、及び硬組織の臨床基準を定めることにあった。
材料と方法
25名の患者から(男性15名、女性10名、年齢18-51歳、平均32.4±9.1歳)、25本の上顎前歯を抜歯した。
抜歯直後に、抜歯窩の硬組織と軟組織を評価した。ここで提案する分類法に従って、療法的アプローチを適用した。
インプラントの審美的アウトカムを、補綴物の装着時と、1年の機能後に評価した。
結果
抜歯窩の硬組織と軟組織の形状に基づく、即時インプラント埋入と、成熟後インプラント埋入の治療決定木を提案した。
5個の抜歯窩は`適切’に分類され、12個は`不適切’に、そして8個は`問題あり’に分類された。
使用した治療法に関係なく、タイプⅠの抜歯窩は、`適切な’審美結果を達成した。即時インプラント埋入で治療した、タイプ2の抜歯窩は全て、補綴装着時には`適切’な審美結果を達成したが、1年後にはこれらの抜歯窩のうち50%が、`不適切’カテゴリーに脱落した。
抜歯から6週間を経てインプラントを埋入した、タイプⅡの抜歯窩では優った結果が示された。
これらの症例中97.5%が、補綴装着時に`適切’と判断され、62.5%が、1年の機能後に`適切’と評価された。
軟組織と硬組織の手術後に、成熟後埋入で治療したタイプⅢの抜歯窩については、75%が、両評価時に`適切’と判断された。
結論
少数(5個)の最適な抜歯窩で、即時インプラント埋入は成功裏であったことが、本研究の結果より示唆されている。
不適切な抜歯窩では、即時インプラント埋入後の審美結果は、硬組織と軟組織を修正した後でさえ、非予知的であった。
GBRと上皮下結合組織移植を行い、成熟後アプローチで治療した部位の方が、より予知的な結果を達成した。
従って、軟組織と硬組織が不足している部位では、成熟後埋入を行うことが推奨される。
抜歯窩の形態に基づくこの治療法は、望ましいインプラント審美アウトカムを達成するという点で、最も予知的な治療法を発見するためのツールを、臨床医に提供するものである。とは言え、本パイロット研究の結果を更に検証するために、大規模なサンプルの長期追跡観察が、なおも必要とされる。
The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants