CAD/CAM法とロストワックス法による慣例的な鋳造法で作製した、インプラントフレームワークとインプラントの適合性を調べる

著者
Carl Drago等 出展:JOMI 2010,25, 920-929
目的
①2種類のインプラントフレームワーク作製法、つまり、CAD/CAM法とロストワックス法による慣例的な鋳造法で作製した、インプラントフレームワークとインプラントの適合性を調べること
②これらの方法で作製した、インプラント修復プラットフォームとインプラント支持フレームワークの、容積に関する相違を測定するためのコンピューターソフトプログラムと触覚スキャニングから成る、デジタル測定システムについて記述することにあった。

材料と方法
本実験研究では、5本のオトガイ孔間インプラントを植立した、アクリルレジン模型を利用した。模型をスキャンした後、インプラントレベル印象とverification indexを採得して、作業模型を作製した。最初に、それぞれの作製過程を明確化するために、CAD/CAMによるチタン製ミルドバーと鋳造用金合金製フレームワークを作製した。
このパイロット研究の終了後に、3校の歯科大学それぞれで、5個の鋳造床フレームワークと、5個のCAD/CAMフレームワークを作製した。それぞれのフレームワークは、各々の印象に由来した作業模型上で作製した。
フレームワークのインプラント修復界面をスキャンし、データを、コンピュータソフトプログラムに入力した。インプラント修復プラットフォームのデジタルスキャンに仮想フレームワークを装着したものを、歯列弓のそれぞれの側で行う、バーチャルワンスクリュー試験のために使用した。インプラント支持フレームワークの、インプラント修復プラットフォームと作業模型インプラントの寸法差を測定することで、フレームワークと作業模型インプラントの不適合度を決定した。

結果
CAD/CAMフレームワークの方が、キャストゴールドフレームワークよりも、適合性は有意に優れていた。CAD/CAMフレームワークのインプラント修復プラットホームとインプラントの不適合はキャストフレームワークのインプラント修復プラットフォームとインプラントの不適合よりも2.25㎣より小さかった。
右側のワンスクリュー試験と左側のそれは、有意に異なっていなかった。
結論本ラボ研究では、ここで提示したCAD/CAMテクノロジーの方が、従来のキャスティングテクノロジーと、ロストワックステクニックで作製した、キャストインプラント支持フレームワークよりも精度は有意により高かった。
本研究で使用したタクティルプローブシステムは、フレームワークとモデルのインプラント修復プラットフォームを正確に同定し、記録することを可能にした。
ソフトプログラムは、キャスト、及び、CAD/CAMインプラント支持フレームワークのインプラント修復プラットフォームと、インプラント間の、体積相違に関するデジタルデータを、正確に解釈できた。