固定式義歯を支持する極端に短いインプラント周囲における、骨頂の喪失とインプラントの生着。クラウンの高さスペース、クラウンーインプラント比、及び補綴物のオフセット装着が及ぼす影響。

Bone Loss Around Extra-Short implants Supporting a Fixed Denture: The Effect of Crown Height Space,Crown -to Implants ratio,and Offset Placement of the prosthesis
JOMI 2014
Eduardo Antitua
目的
*インプラントの生着と骨頂の喪失に対して、補綴物のオフセット装着、クラウンの高さスペース、並びにクラウンーインプラント比が及ぼす影響を調べること
*インプラント支持修復物として、固定式義歯を利用する場合、クラウン高さスペースの有害な値というものは存在するかを調べること
材料と方法
長さが5.5ミリ、または6.5ミリと定義した、極端に短いインプラントを分析した。
極端に短いインプラントが下顎臼歯部に存在し、固定式義歯のためのアバットメントとして機能していた、荷重後の追跡観察期間が12ヶ月を超えていた患者を、本研究のために選択した。
第一アウトカムは、辺縁骨の喪失とインプラントの生着であった。
全てのインプラントの埋入は2回法であり、補綴物装着までの期間は平均で4-5ヶ月であった。
46本の極端に短いインプラントが、固定式部分義歯(FPD)のためのアバットメントとして機能し、6本のインプラントのみ、固定式総義歯を支持していた。
結果
45本の極端に短いインプラントを有していた、取り込み基準を満たした34名の患者を、本後ろ向き研究に取り込んだ。
・平均クラウンーインプラント比は2.44、クラウンの高さスペースの平均は17.05±3.05mmであったことが示唆された。
・クラウンーインプラント比は19.2%のインプラントで2未満、67.3%で2-3、そして13.5%で3を超えていた。 
・クラウンの高さスペースの値は、25%のインプラントで15mm未満、65.4%で15-20mm、そして9.6%で20mmを超えていた。
対合歯のタイプは、極端に短いインプラント周囲の辺縁骨喪失に有意に影響した。
骨喪失は部分義歯に対合するインプラントでは多めで、天然歯列、または総義歯に対合するインプラントは、少なめであった。対合歯列に従ったオフセット装着、クラウンの高さスペース、並びにクラウンーインプラント比という3個の要因と、辺縁骨を分析したところ、クラウンの高さスペースと骨喪失のみ、有意の正の相関関係にあったことが示唆された。
結論
荷重後最長で約4年間(平均2年)追跡した、45本の極端に短いインプラントを、骨頂の喪失に対して、クラインーインプラント比、クラウンの高さスペース、及び補綴物のオフセット装着が及ぼす影響について分析した。
以下の結論を下すことができる。
1:極端に短いインプラント周囲の辺縁骨喪失と、高いクラウンーインプラント比、並びに補綴物のオフセット装着は、有意に関係していなかった。
2:クラウンの高さスペースは、辺縁骨喪失と正の有意の相関関係にあった。