歯周状況と高脂質血症。スタチン服用者と非服用者の比較

著者
AditiSangwan 
出展
Jperiodontol January 2013 volume84・Number1
目的
高脂質血症患者の歯周状況とそれに罹患していない人物の歯周状況を比較すること、血清中脂質レベルと歯周疾患の関係を調べること、スタチン服用者の歯周状況を調べる。
取込基準は第三大臼歯を除く天然歯が16本以上存在していた成人、研究開始の6か月前から歯周治療なし、3か月以上の期間に渡りスタチンの投薬/非薬理療法を受けていた高脂質血症患者。
患者は2010年1月から2011年6月にかけてThe Department of Medicineから委託された446名の患者中140名を取込基準と排除基準に基づいて本研究に取り込んだ。
研究参加者等を2個の主要群、対照群NL群(血中脂質が正常であった患者n=46)試験群HL群(高脂質血症患者n=94)高脂質血症患者群はさらに治療に基づいて2個の下位群に分けた。
試験群1HL-N群(3ヶ月以上に渡り、食事の非薬理療法を受け運動をしていた高脂質血症患者n=44)試験群2HL-S群(3ヶ月以上に渡り、スタチン(アトルバスタチン20mg/日)を服用していた高脂質血症患者n=50)
歯周治療では、歯牙の4か所を調べ以下のパラメーターを記録した。プラーク指数(PI)
歯肉指数(GI)プロービングデプス(PD)臨床付着レベル(CAL)。
それぞれの患者の喪失歯数も記録した。血清中脂質の生化学的評価は、一夜空腹にさせた後、静脈血サンプルを採取し、血清中のTG、TC、LDL-C及びHDL-Cレベルを測定した。TG(>200㎎/dL)TC(>200㎎/dL)LDL-C(>130㎎/dL)HDL-C(<35㎎/dL)
結果
本研究には計140名の患者が参加した。最初に、対照群と高脂質血症群の比較を行った。
NL対照群とHL-N群とHL―S群の比較では、高脂質血症群をさらに抗脂血症治療に基づいて分けたところ年齢、性別に関しては有意の群間差は観察されなかったがBMIは対照群とHL-S群間で有意に異なっていた。
高血圧に関する有意の群間差は認められたがHL-N群とHL-S群間ではそのような相違は観察されなかった。
生化学的パラメーターについては、血清中TG,TC及びLDLに関する3個の群全ての有意差が示され、値が高かった順に挙げるとHL-N群、HL-S群そしてNL群であった。
HL-S群は最も高い血清中HDL値を有し、それについては他2個の群のそれぞれと有意に異なっていた。歯周パラメーターは、HL-N群の平均PD値は対照群、及びHL-S群のそれよりも統計的有意により高かった。
NL群とHL-S群はPD,CAL及びGIについて有意に異なっていなかった。PIに関する有意の群間差は観察されなかった。
結論
本研究の結果より、高脂質血症と歯周疾患の強い関係が示唆されている。本結果はまた、歯周組織に対するスタチンの好ましい作用も支持している。
本研究から導き出すことのできる率直な結論は、脂質代謝異常があるとわかっている患者は歯周炎について検査され適切に治療されるべきであるということであろう。