グリシンパウダーによるエアーポリッシングの効果と安全性

Randomized Controlled Trial Assessing Efficacy and Safety Glycine Powder Air Polishing in Moderate-to Deep Periodontal Pockets
中等度の深さの歯周ポケットと、深い歯周ポケットに適用されるグリシンパウダーによるエアーポリッシングの効果と安全性を調べるための、無作為対照付き治験
ThomasF .Flemming JP 2012
目的
PDsが4-9mmである、中等度の深さの歯周ポケットと、深い歯周ポケットにて、バイオフィルムを除去するために用いるSubGPAPの効果と安全性を調べることにある。
また、口腔内全体に存在する、一定の推定歯周病原菌を抑制すると言う点での全ての歯牙と、全ての口腔粘膜に対する歯肉縁上GPAP(SupraGPAP)と、SubGPAPによる全顎デブリドマン効果も調べた。
方法
初期治療を完了した口内P.gingivalisとT.forsythiaを有していた慢性歯周炎患者を無作為に、全顎GPAP群、またはSRP群に割り振った。全顎GPAP群ではプロービングデプスが4-9㎜であった歯周ポケットにたいしては、SubGPAPを行い、他全ての浅い歯周部と粘膜に対してはSupraGPAPを行った後、キュレットで歯石を取り除いた。SRP群ではスケーリングルートプレーニング後に、歯冠部を研磨した。
結果
取り込んだ30名全ての患者がベースライン10日目、及び90日目の訪問に応じた。デブリドマン直後と10日目での、中等度の深さの歯周ポケットと深い歯周ポケット中の生菌の総数はSubGPAP後の方がSRP後よりも有意により少なかった。90日目の口内P.gingivalis総数は、全顎GPAP後の方がSRP後よりも有意により少なかった。患者が感じた快適さの度合いは、両治療群で高かった。
結論
SubGPAPは、キュレットによりSRPよりも、中等度の深さの歯周ポケットと、深い歯周ポケット内の歯肉縁下バイオフィルムと取り除くのに、より効果的であることが、本治験の所見より示唆されている。
歯周メインテナンスケアをうけている患者では、FM-GPAPと、その後歯石除去によって、口内全体の微生物叢が、好ましいそれに変化する可能性があり、歯周健康が、維持される可能性がある。
FM -GPAPはまた、患者に良好にうけいれられるようである。
FM- GPAP後に示された口腔微生物叢の変化が歯周治療の長期アウトカムに及ぼす作用が今後調べられる必要がある。