5月分まとめ 上顎前歯部一歯インプラントを即時埋入し、暫間処理した後の、インプラント周囲頬側面の水平的、垂直的寸法変化

Horizontal and Vertical Dimensional Changes of Peri-implant Facial Bone Following Immediate Placement and Provisionalization of Maxillary Anterior Single Implants 1-Year Cone Beam Computed Tomography Study
上顎前歯部一歯インプラントを即時埋入し、暫間処理した後の、インプラント周囲頬側面の水平的、垂直的寸法変化
著者
Phillip Roe等
はじめに
審美ゾーンに対する、上顎前歯部一本の即時インプラント(抜歯して即インプラント埋入する術式)の、埋入と暫間処置の、長期結果と相対的メリットは、充分に文書化されている。この治療法は、確立されている臨床ガイドラインが守られるなら、充分可能な治療選択肢であると考えられている。この治療法の利点としては、短い治療期間、歯の即時置換、及び、既存の骨と歯肉構造の保存が挙げられる。
近年、この術式による、唇側の骨の寸法変化に関して、移植材を用いると、吸収プロセスが最小限に抑えられる報告があるが、横断研究で連続的な再現性が得られていない事や、精度が欠けるとされている。
目的
上顎前歯部にて、一歯インプラントを即時埋入し、暫間処置をした後の、水平的な頬側面骨暑さ(HFBT)と、垂直的な頬側面骨レベル(VFBL)の変化を、評価すること
材料・方法
患者の選択
者は2007年5月から、2010年9月にかけて治療を受けた患者の治療カルテとCBCT
画像を精査した。後ろ向き研究。
The Center for Prosthodontics and Implant Dentistry,  
Loma Linda University School of Dentistry,     California  にて研究が行われた。
取り込み基準
①治療時に18才以上
②救済不可能な一歯上顎前歯に対する、フラップレス即時インプラント埋入と、暫間処置による治療をうけた。
③救済不可能であった歯の唇側面と、臨接する歯の隣接面における、骨と歯肉の関係が、正常であったことに加えて、(それぞれ~3mmと~4.5mm)、抜歯前と後に、唇側面骨板が、損傷を受けていなかった。
④インプラントの長さは13mm以上であった
⑤インプラント~抜歯窩ギャップに脱蛋白無機牛移植材(Bio-Oss)が充填された。
⑥術前、術直後、及び術後1年目のCBCTのデータが利用可能であった。
⑦1年目の追跡観察時に、感染のレントゲン的証明が存在していなかった。
結果
被験者
21名の患者   平均年齢48.8歳(27~85)
16本の中切歯と5本の側切歯
4種類のインプラントシステム(NobeleActive, NobeleReplace,StraumannBoneLevel、 OsseoSpeed)
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結論
上顎前歯部における、一歯即時インプラント埋入と暫間処置後の、水平的な骨の安定にとって、インプラントー抜歯窩ギャップに対する骨移植治療は、有益であるが、水平的及び垂直的骨喪失は、特にインプラントのプラットホームレベルでなおも起こると予測される。
その原因の一部は、インプラントプラットホームでの、水平的な唇側骨厚さの変化と、垂直的な唇側レベルの変化はが、初回の垂直的唇側レベルと、相関関係にあるという事実にある。
出典
The International Journal of Oral & Maxillofacial Implants