3月分まとめ 1個のカンチレバーエクステンションを伴う固定式義歯(FDPs)と単冠(SCs)を支持するインプラントの臨床変化とレントゲン像上変化

著者:Marco Aglietta等
出展:COIR、23、2012、550―555
目的
3年以上の機能後に、カンチレバーエクステンションを伴うインプラント支持SCsとカンチレバーエクステンションによって支持されるFDPsの生存率と、臨床的及びレントゲン的変化を評価すること。
材料と方法
1998年6月から2006年6月にかけて、the Department of Periodontology and Fixed Prosthodontics at the Uninersity of Bern,Switzerlandで治療した部分無歯顎患者を選択した。
結果
19個のセラモメタル単冠(SCs)を有していた17名の被験者の追跡観察検査と
21個のカンチレバーエクステンションを伴う21個のセラモメタルFDPsを有していた21名の被験者の追跡観察検査ではSCsは、近心に位置していたカンチレバーエクステンション9個、遠心は10個であった。下顎に位置していたもの19個中14個、この相違は統計的有意であった。(P=0.01)FDPsは、近心に位置していたカンチレバーエクステンション9個、遠心は12個であった。下顎に位置していたもの17個、上顎に位置していたものは14個、この相違は統計的有意であった。(P=0.01)両者共に年齢、カンチレバーエクステンションの位置、(上顎または下顎)及び追跡観察期間については統計的有意に異なっていなかったことが観察された。(P>0.05)失われたインプラントは無かったことで100%の生着率が達成された。3個の群はベースライン時の平均PPDと追跡観察時のそれについて
統計的有意に異なっていなかったことが観察された。それぞれの群で3本のインプラントが観察期間中にPPDが2mm以上増えたことが示された。
検討
2件の研究で過去にカンチレバーエクステンションを伴うインプラント支持FDPsとそれを伴わないインプラント支持FDPsの5年アウトカムが比較された。カンチレバーエクステンションを有していたFDPsの方が、それを有していなかったFDPsよりも統計的有意に、生着率はより低く(89.9%対96.3%)、技術的合併症の発生率は、より高かったと報告した。これに反して、インプラントの失敗と、レントゲン像上骨レベルの変化については2個の群は有意に異なっていなかったと報告された。同じようにWennstroem等も遠心カンチレバーエクステンションを伴うFDPsを支持する、上顎臼歯部インプラント周囲と、そのようなエクステンションを伴わないFDPsを支持する上顎臼歯インプラント周囲の、レントゲン像上骨レベルの変化は類似していたと報告した。
結論
上顎または下顎臼歯部における1個の近心、または遠心カンチレバーエクステンションの存在は、5年以上の平均観察期間後にSCs、またはショートスパンのFDPsを支持するインプラントの、辺縁骨レベルを妨害しないことが本研究の結果より示された。