初期骨接触を有しないインプラントでの骨形成。イヌの実験研究

Osteogenesis at implants without primary bone contact –
An experimental study in dogs
初期骨接触を有しないインプラントでの骨形成。イヌの実験研究
出典: COIR
著者:Stefano Sivolella 2012
目的
宿主骨とインプラント表面との接触を回避するためにインプラントよりも一回り大きい受容窩に埋入し、固定した、中等度の粗さの表面を有するインプラントにて治癒を評価すること
材料と方法
6頭のラブラドールで下顎両側の小臼歯と第一大臼歯を抜歯した。3ヶ月の治癒後に粘膜骨膜全層弁を挙上し、歯槽骨頂の小臼歯エリアを選択した。3個の受容窩を形成して3本のインプラントを埋入した。1本のインプラントを対照として利用した。他2本の受容窩はインプラントよりもそれぞれ0.7mm、1.2mm大きかった。インプラントは全てインプラント受容窩に全く触れることなくインプラントの安定性を維持するため、受動的固定プレートで固定した。3ヶ月のサブマージ治癒後イヌを屠殺した。
結果
小さい方の欠損部と大きい方の欠損部に埋入したインプラントのBIC%はそれぞれ5.3%と0.3%で、対照インプラントのそれは46.1%であった。相違は統計的に有意であった。残存欠損幅は小さい方の欠損部と大きい方の欠損部でそれぞれ0.4mmと0.5mmであった。繊維と繊維芽細胞が多く含まれた、約0.09mmの緻密結合組織層がインプラント表面の密着が観察された。DCT(緻密結合組織)によって覆われていたインプラント表面の割合は小さい方の欠損部と大きい方の欠損部でそれぞれ92.8%と95.6%であった。
結論
試験部で骨統合が観察され、欠損の寸法はアウトカムに影響した。しかし、小さい方の欠損部と大きい方の欠損部での骨統合の度合いは対照部でのそれよりもはるかに低かった。