Radiografic Considerations for the Regional Anatomy in the Posterior Mandible
下顎臼歯部の局所解剖についてのレントゲン的考察事項
出典:J Periodontal January2012 Vol.83 NUmber1
著者:Natasha Yashar
目的:下顎臼歯部の下歯槽神経(IAN)を、CT画像を用いて調べる。
材料と方法
1996年から2006年の日付がついた、計195枚の医療用CTスキャンを得た。
(男性 62名 女性133名 年齢22~88歳 Oak Park Ilinoiにて)
オトガイ孔の後方寄り1㎜の所からスタートする、5㎜の間隔で選んだ下顎骨の
CT断面画像上で測定を行った。
それぞれの断面画像上で4箇所の測定を行った。
CN:IANの真上の骨から歯槽骨頂まで
BN:IANの真横の骨から頬側面皮質骨まで
LN:IANの真横の骨から舌側面皮質骨まで
IN:IANの真下の骨から下底まで
それぞれの画像上で測定を行い、性別、年齢、喪失歯の有無で分析を行った。
結果
・7個の断面像のうち6個で、CN、BN、INは女性よりも男性のほうが
有意により長かった。
・喪失歯を有していた患者の方が、
喪失歯を有していなかった患者よりも利用可能である骨は有意に少なかった。
・高齢になるほど、喪失歯はより多くなり、利用できる歯槽骨は有意に少なかった。
・本研究より、オトガイ孔より後方に行くに従ってIANはより舌側に位置していた。
過去の結果と異なっている点
・数件の報告では、2個以上の下顎管が存在しうることが示唆されているが、本研究では下顎管は、下顎骨のそれぞれの側で1個しかなかった。
・他のカダバー研究ではオトガイ孔の位置は、下顎骨下底から9-12㎜のところに位置しており、頬舌幅は下顎第一大臼歯の真後ろが最も広いと報告されている。
・本研究では、他の報告より短く下顎骨下底より6-9㎜であった。頬舌幅は、断面像6が一番広かった。
・横断分析で、4個全ての測定値の平均が評価去れた過去の報告では、男女差はなかったことが発見されたが、本研究では、CN、BN、LN、INは男女で有意に異なっていた。最も差が大きいのは、CNとBNであった。
結論
IAN周囲の骨変化は、高度に可変的である。
7個の断面像のうち6個で、CN、BN、INは女性よりも男性のほうが有意により長かった。