新鮮抜歯窩における骨のリモデリング即時インプラント埋入と自発的治癒の比較  ビーグル犬の実験研究

Bone modeling at fresh extraction Sockets immediate implant
placement versus spontaneous healing an Experimental study in the
beagle dog
新鮮抜歯窩における骨のリモデリング即時インプラント埋入と自発的治癒の比較
ビーグル犬の実験研究
著 Fabio Vignolett 出典  Journal of Clinical Perio dontology 2012
目的:自然治癒させた新鮮抜歯家窩の、6週目における組織学的アウトカムを記述し、これらのアウトカムをインプラント即時埋入した隣接抜歯窩での治癒と比較すること。
材料と方法:ビーグル犬8匹(体重 10-20㎏)を用い、それぞれの犬で4箇所の試験インプラント部と4箇所の無歯顎部を設定した。(下顎のみ)
①3i Osseotite Certain straight(径3.25㎜/I=8.5、11㎜)
Astra MicroTread Osseospeed (径3.5㎜/I=9.0、11㎜)
②Thomen SPTELEMENT(径3.5㎜/I=9.5mm)
Strawman ITI standard(径3.3㎜/I=8,2㎜)
それらを同期間中にインプラントを埋入せずに治癒させた、隣接する無歯部と比較した。
計32箇所のインプラント部と、32箇所の無歯部を評価した。
組織形態学的測定
それぞれのインプラントシステムの平均I-Bc距離を計測した。
 (I=インプラントショルダー、Bc=最も歯冠寄りの骨)
抜歯窩も舌側面の骨頂と比較した時の、頬側面骨吸収の相対値を計算しながら同じように適用した。自然治癒抜歯窩を、根尖部、中央部、歯冠部にわけ、繊維性骨エリアの組織形態計測学的測定を行った。
結果:組織学的観察
無歯部では、抜歯後6週目に、皮質骨から成る架橋によって、塞がれていた。
抜歯窩の内壁では、頬側面と舌側面の両方で、元の骨から歯冠寄りのところに繊維性の骨が様々な比率で存在していた。
大半の標本で、頬側骨は舌側壁よりも根尖寄りに位置していたが、中にはそれらの高さが同じ標本もあった。
インプラント部に関しては、インプラント表面と骨壁との間に、ギャップが常に生じていた。
この空間は、様々な比率の繊維性骨によって満たされていた。
全てのインプラントタイプで、頬側面骨壁は様々な度合いで根尖寄りに移動していた。
インプラント部と無歯部の相対的な頬側面骨吸収量は類似していた。
インプラント部の絶対的骨喪失量を、抜歯部の相対的骨喪失量と比較したところ、その差は統計的有意差あり。
隣接する無歯部と比較しても有意差あり。
インプラントシステムごとにデータを見ると、スロトーマンのみ絶対的値と相対的値を比較したところ有意差あり。
ワンピースのみ絶対的値と相対的値の比較で有意差あり。
抜歯窩内部で形成された繊維性の骨の相対的比率は、抜歯窩上部に多く見られた。
検討
・抜歯窩において、測定された頬側の骨吸収量は、舌側の位置を基準とする相対値であるため、骨吸収量は正確ではない。
 舌側骨の吸収量は研究毎に差があるが0.5~0.9㎜であるという報告がある。
・抜歯窩及びインプラント埋入部共に、
 骨吸収は認められたがインプラント部の方が吸収量は多かった。
・ワンピースタイプ、ツーピースでみると群内有意差も群間有意差も見られなかったが、それらの頬側面骨吸収量は、隣接していた対照部の相対的頬側面骨吸収量よりも
有意に多かった。
・Straumannのみ隣接する対照部と比較して有意により高い垂直骨吸収が示された。
まとめ:
頬側面抜歯窩壁の骨吸収は、自然治癒抜歯窩と、即時埋入インプラント部の両方で起きることが示され、インプラント部の頬側面骨吸収の方がより顕著であった。
これより、即時埋入インプラントは、抜歯窩壁のリモデリングを妨害するだけでなく最終的には顕著な骨吸収の一因となりうる可能性があることを示している。
今後の研究では、骨の寸法変化を測定するための方法が、ベースライン時に固定参照点を用いて標準化される必要がある。