チタンージルコニアインプラントーアバットメント界面での磨耗。パイロット研究

Wear at the Titanium -Zirconia Implant-Abutment Interface A pilot Study
著者:Michael W.Klotz   
出典:the international Journal of Oral &Maxillofacial Inplant Vol.26 Number 5.2011
 
目的
チタンージルコニアアバットメントーアバットメントにおける磨耗を定量的に評価し、
荷重サイクル数の関数として、この挙動を評価すること。
 
材料
4本のインターナルコネクションチタンインプラント(グレードⅣ 4.5×9㎜ Astratech)を
個別に、25㎜の強化型エポキシレジンディスクに埋め込んだ。
インプラントに、2種類のアバットメントをセットした。
グレードⅣチタンアバットメント(3㎜TiDesign Ref24236 Lot57854)
ジルコニアアバットメント(3㎜ZirDesign Ref24708 Lot56737)を比較し、
アバットメントは卓上SEMを用いて、200倍の倍率で検査した。
 
機械試験
疲労試験器具の荷重プラットフォームに、30度の離軸で標本を取り付けた。
標本に2Hzの周波数で20-200Nの正弦波力を付与した。
標本に、6段階で荷重を付与した。
(25,00、2,500(2回目)、50,000、150,000、250,000、500,000回 計100万回)
それぞれの試験のサイクル後に、アバットメントを慎重に外し、写真を撮り
SEM検査を行った。
 
結果
ジルコニアアバットメントと、チタンアバットメント両方にて、それぞれの段階の試験後に、
濃い筋状痕が確認された。
チタンの剥がれは、ジルコニアアバットメントとチタンアバットメント両方の全周に均一に存在しており、輪状痕の面積と濃さは、一定していた。
チタンの沈着痕は、アバットメントがインプラントショルダーから突き出ていた点に近いほど、より重度であった。
サイクル回数が増えるに従ってチタンの沈着量が増えていた。
初期の磨耗度は、ジルコニアアバットメントの方がチタンアバットメントよりも大きかった。
ジルコニアアバットメントでは、25万回のサイクル後に、磨耗が明白に示された。
磨耗量は統計的に有意であった。
 
結論
繰り返し荷重状況下で、ジルコニアアバットメントは、チタンアバットメントよりもより多くの
インプラントの摩耗を引き起こした。これは、インプラントからジルコニアアバットメントへ
チタンが剥がれたことの写真による証明と、顕微鏡による証明によって明らかとなった。
アイルコニアアバットメントではがれたチタンの量は、
初期の段階ではサイクルの回数が増すに従って増したが、その後摩耗率は低下した。