歯牙知覚過敏のためのイオンオフィス薬としてのハイドロキシアパタイト

~臨床研究と走査電子顕微鏡研究~
出典:J Periodontal December 2010
著者: Shreya Shetty
研究目的
8週間にわたって、HAP(乾燥ゾルゲル粉末製剤と液体析出製剤)の効果を臨床評価し、それを対照群(治療なし)、プラセボ群と比較する。
方法
45名の患者が有していた、計486本の知覚過敏歯を4種類の方法で治療。
(A群)HAP乾燥ゾルゲル粉末
(B群)HAP液体析出
(C群)プラセボ
(D群)治療なし
術前の0日目と、術後の1日目、および1,2,4,8週目に記録したVAS法とVRS法で評価し、SEM画像分析を行った。
結果
・1日目終了時、それぞれの群にて比較したときのスコアに関する有意差がしめされた。
 群A、Bは群C、Dよりも有意に効果的であった。
・群Aと群Bの相違は有意ではなかった。同じく群Cと群Dの相違も有意ではなかった。
・1週目終了時、すべての群が有意ではなかった。
・2週目終了時、群A、Bにて、群C、Dよりも、有意であった。
・4週目と、8週目の終了時、4個の群全てで有意差はなく、ほぼ同じ結果が示された。
適用回数での比較は、液体析出型のHAPで治療した患者では、
2回目、3回目の適用後に、8週にわたるスコアの減少が示されたのに対し、
乾燥ゾルゲルHAPでは、1回、または2回の適用で効果が得られた。
理由は、それぞれの濃度に由来すると考えられる。
まとめ
全ての治療群で、効果はみられたが、HAP含有の薬剤は、少ない塗布回数で、効果が得られるようである。