歯周的に支障をきたした患者における,インプラント周囲での骨再生。 即時荷重を伴うインプラントの効果に関する無作為臨床治験

著者:Othman Shibly
出典:J Periodotol December 2010 Vol.81 Number 12


研究目的
歯周疾患の既往歴を有する患者にて、抜歯直後に埋入されるインプラントの骨再生と審美アウトカムに対して、経粘膜治癒と即時荷重が及ぼす影響を調べる。
即時荷重したインプラントと、成熟後荷重したインプラントをインプラントの生着率、レントゲン像上の骨変化、並びに軟組織の審美的アウトカムについて比較した。


方法
2008年~2009年にかけて行った、2年無作為単盲対照付研究。
年齢が25-94歳で、女性39名、男性33名。それぞれの群は、36名の被験者からなった。
即時荷重群では、新鮮抜歯窩にインプラントを埋入し、即時荷重を行った。
慣例的荷重群では、インプラントを新鮮抜歯窩に埋入し、それから、3ヶ月後にインプラントを荷重した。
利用したインプラントは、バイオマテリアルがコーティング平行壁インプラントであった。
すべての開放型欠損をGTRで治療した。


結果
インプラントの生着率
60本のインプラント中3本が失敗(生着率95%):内2本は慣例的荷重群

レントゲン像上の骨変化
両群で骨レベルの増加が認められたが、有意差なし


退縮傾向。有意差なし

結論
即時荷重と成熟後荷重の両治療群で、生着率、レントゲン像上骨増加、乳頭指数より
判断される同じような審美結果がしめされた。
成熟後荷重でも、即時荷重でも結果は変わらないようである。