ブラキシズムや他の磨耗原因を有する患者での、歯頚部楔状欠損の有病率

表題
Relationship of Metabolic Syndorome to Chronic Periodontitis

筆者
Punit Shah,MFDS MClin Dent,MRD
Sheri Razavi,BDS,MFDS,Mclin Dent,MRD &
David W.Bartlett,BDS,MRD,PhD,FDS,RCS,FDS,RCS

出典
Journal of Prosthodontics,18(2009),450-454 

研究目的
本研究目的は、ブラキシズム、統合的歯牙磨耗、並びに対照という3つの患者群にて、歯頚部楔状欠損の有病率を調査することにあった

ブラキシズムを有する患者では、歯頚部楔状欠損発症の危険性が高いとの仮説を立てた 

材料と方法:侵食の臨床的徴候は存在しておらず、歯牙の咬合面、切端が平坦で、それらが対合歯と正確にかみ合っていた被験者をブラキシズム群に集めた

切端または咬合面の陥凹、口蓋面の侵食、並びに平滑で丸い形をした欠損を含む侵食の徴候が見られた被験者を統合的欠損群に入れた

対照被験者は、同期間中に英国の2箇所の一般開業医に定期的な健診に来た人物から無作為に選択した


磨耗は5つのレベルに評価した

0=磨耗;

1=エナメル質に及ぶ磨耗

2=象牙質の露出が1/3未満

3=象牙質の露出が1/3以上

4=歯髄が露出

それぞれの被
験者に質問をして、炭酸飲料、酸性の果物、果汁の消費量と頻度を記録した

•被験者にはまた異常機能、グラインディング、またはクレンチング習慣についても尋ねた

1日のブラッシング頻度も記録した


結果
ブラキシズム群では歯頚部の磨耗と咬合面の磨耗は関係していなかった

•統合的歯牙磨耗では歯頚部の磨耗と咬合面の磨耗は強力な関係が認められた

•対照群では歯頚部の磨耗と咬合面の磨耗は中等度に強力な関係が認められた

統合的歯牙磨耗患者はブラキシズム患者及び対照群と比較して、酸性食材、飲料の摂取が有為に多かった

ブラキシズム患者及び統合的歯牙磨耗群は対照群と比較してより多くの異常機能の発生が報告された

対照群はブラッシングにおいて、統合的歯牙磨耗群患者と、ブラキシズム患者よりもブラッシング頻度がより高かった

歯頚部の磨耗度は全ての群で類似していた

結論
歯頚部辺縁に沿って観察される歯牙磨耗の原因は、おそらく多因子的である

つまり現在のところ、原因を断定することはできない