インプラントの初期固定とコーンビームCTによって評価された骨質との相関性

著者
Young-Dai Song, DDS, PhD 等 

インプラントの成功の重要な予知因子として、骨の量と質(硬さ)に重点がおかれています。 

骨質を評価する方法としては、客観的な指標として、切削時の抵抗性測定値や、超音波など色々挙げられますが、CTは、インプラント外科手術前に、顎骨の横断的画像を評価するため確立された方法です。又、CTは骨ミネラル密度を定量化するためにも、利用できます。近年、新しいタイプのCT(コーンビームCT)が導入されはじめました。(放射線量も従来のCTよりも少量で、かつ精度の高い画像が得られます。) 

インプラントが骨としっかり固定しているかどうか、客観的に測定する方法としては、共鳴周波数分析された安定指数として表されます。これはオステルという装置で測定します。この研究では新しいバージョンのオステルメンターを使用しています。 


研究目的 
コーンビームCTによって評価された骨質と、共鳴周波数分析(RFA)によって推し量られたインプラントの初期固定との関係を調べること。 

材料・方法 
インプラントの埋入を予定していた20名の患者にて、インプラント埋入オペ時にコーンビームCTスキャンとオステルメンターを用いてインプラントの安定指数を得ます。それぞれのインプラントの各面にて緻密骨の厚さを計測し、コーンビームCTで骨ミネラル度を計測します。CT値と安定指数の相関性、ならびに緻密骨の厚さとインプラント安定指数の相関性をPearson相関係数で検定しました。 

結果
CT値が高ければ高いほど、又緻密骨が厚い程、インプラント安定指数は高い事が示されました。

CTスキャンは骨質を評価するのに、そしてインプラントの初期固定を予知するのに、効果的であることが示唆されました。

まとめ
パノラマ検査は、撮影方法と診断が適切であれば、下顎臼歯部インプラント埋入に用いられる検査法として、安全である。インプラントの埋入深度を最大限に確保する場合はCT画像検査法を用いることもある。