残存骨高径が5㎜以上であった部位で、同時に行った上顎洞挙上とインプラントの埋入を、それが5㎜未満であった部位で同時に行ったそれらと比較評価する

(Comparative Evaliation of Simultaneous Maxillary Sinus Floor Elevation and Implant Placement with Residual Bone Hight Grater or Less than 5mm)
JOMI 2015
Sidika Sinem Soydan
目的
RBHが5㎜未満であった上顎骨にて、側壁からのアプローチによる一回法SFEの生存率を、RBHが5㎜以上であった上顎洞でのそれと、長期追跡観察で比較すること
材料と方法
RBHが5㎜未満であった部位、または5㎜以上であった部位に埋入したインプラントから成り、インプラントの生着を、患者の臨床症状に基づいて評価した。
機能中、または自発的な痛み、または圧痛、罹病、プロービングデプス、浸出液、最終追跡観察検査でのレントゲン像上骨喪失
結果
本研究には1回法上顎挙上術と同時にインプラントを埋入した、59名の連続患者を取り込んだ。研究群(RBH1-4.9mm)では、51本のインプラントを、そして対照群(RBH5-8mm)では、31本のインプラントを埋入した。5.4年後の追跡観察における、研究群のインプラント生着率は94.2%、7.9年後の追跡時における、対照群のそれは95.8%であった。
インプラントの生着率に関する、統計的有意の群間差は認められなかった。(P=.785)
結論
残存骨高径が5㎜であっても、インプラントの埋入に初期固定が得られて言えば、インプラントは上顎洞底増多と同時に埋入できると、本研究の結果に基づいて結論付けることができる。この治療法だと、二次オペを必要とせず、修復期間は6ヶ月で済み、患者の満足度も高まる。
残存骨高径が5㎜未満の部位で、上顎洞挙上と同時に、インプラントを埋入した後に得られる長期生着率は、通常のインプラントのそれと類似している。