歯周疾患患者の歯周パラメーターとインプラントアウトカムを、長期に渡って評価する。系統的レビュー。

著者
Mariana Schutzer Zangrando 等
目的
本系統的レビューの目的は、歯周治療/インテナンスを受け、インプラント治療も受けた歯周炎患者の、長期アウトカムを評価することにある。また、元の歯周診断は、インプラントの予後に影響しうるかを調べる。
方法
治療され、その後5年以上に渡って、歯周メインテナンスを受けた部分無歯の歯周炎患者に由来する、臨床アウトカム、または、長期インプラントアウトカムが報告されている研究を、本レビューに適格と判断した。論文の選別、データの抽出、及び質的評価を、個別に、二重に行った。
結果
MEDLINE、EMBASE、及びCENTRALの各データベースを検索した結果、959本の論文が見つかり、それらのうち931本を、表題と概要の評価後に排除した。
取り込み基準を満たしている可能性があった、28本の論文の全文をスクリーニングしたが、取り込み基準を満たしていたのは、たったの10本であった。
取り込んだ研究の多く(77.8%)で、方法学的な質は、中等度/高度であった。歯周炎と診断された患者は、満足のゆくインプラントアウトカムを有していたことが、結果より示された。10年の追跡観察が報告された研究での、インプラントの生着率は高かった(92.1%)。歯牙周囲のプロービングデプス、臨床付着レベル、及び骨喪失と関係するパラメーターは、インプラント周囲炎とインプラント喪失の発生を高めた。歯周メインテナンスに応じないことと喫煙習慣も、あまり良くないインプラントアウトカムと関係していた。
結論
歯周炎と診断されたが、適切な治療を受け、歯周メインテナンスに定期的に通っている患者では、インプラント治療を成功裏に利用できることが、本系統的レビューによって確認された。残存ポケット、歯周メインテナンスプログラムに参加しないこと、及び喫煙は、長期のインプラントアウトカムに悪影響を及ぼす要素と判断された。