歯周患者の治療アウトカムに対して、ポケット内麻酔ゲルが及ぼす作用。無作為対照付き治験。

著者
Sonja H.M.Derman 等
目的
局所麻酔ゲルを利用したスケーリング、ルートプレーニングと、局所麻酔注射を利用したそれの後に得られる治療アウトカムを、比較することにあった。
材料と方法
全身的には健康であった、38名の歯周炎患者を、無作為単盲口内分割臨床治験に取り込んだ。
プロービングデプスと臨床付着レベルを、ベースライン時と術後6週目に記録した。2種類の局所麻酔を、個別の治療アポイント時に利用しながら、スケーリングルートプレーニングを行った。
使用した麻酔薬は、ポケット内へのリドカイン+プリロカインゲルと(それぞれ2・5%)、アルチカイン注射であった(1:100,000アドレナリン)。
1回目のアポイント時に使用した麻酔薬は無作為選択とし、2回目のアポイント時に使用した麻酔薬は、先とは別の麻酔薬であった。
患者が感じた痛みと、麻酔に対する容認度を、アンケートを介して記録した。
結果
プロービングポケットデプスと臨床付着レベルの変化については、ここで適用したタイプの麻酔薬が及ぼした影響は、認められなかった(p>0.05)。これらの所見は、深めのポケットにさえ当て嵌まる。
患者等が術中に感じた痛みの度合いは、ゲル群の方が有意により高かった。後になって、68%の患者が、ゲルの方が好ましいと回答した。
結論
麻酔ゲルを利用しても、治療アウトカムが麻酔注射に劣るものとはならない。プロービングポケットデプスと臨床付着レベルの増加に関する結果は、同じく好ましかった。術中の不快度は僅かにより高いものの、多くの患者が、局所麻酔ゲルの方を好む。
(2014 John Wiley & Sons A/S. Published by John Wiley & Sons Ltd)