外科的に形成した臨界サイズの欠損の骨治癒に対して、コラーゲンメンブレンを伴う、またはそれを伴わない二相性β―TCPが及ぼす影響。レントゲン的、組織学的、及び組織形態計測学的研究。

著者
Jose L.Calvo Guirabo 等 出展;COIR,25,2014,1228-1238
目的
二相性β―TCPを満たした、ラビットの脛骨に形成した臨界サイズの欠損に対し、吸収性コラーゲンメンブレンが及ぼす作用をレントゲン分析と組織形態計測学的分析によって、調べることにあった。
材料と方法
本研究では体重が3.510.2キロのニュージーランドラビット20匹を利用した。
両脛骨の骨端近位部―骨幹部に6mm径の臨界サイズ欠損(CSD)を3個、注水を豊富に行いながら、低速でトレフィン外科用ドリルを使用することで形成した。
(群A) 欠損に0.70.2ccのOsseceramナノ粒子を移植した。
(群B) 欠損にはそれとともに、吸収性コラーゲンメンブレンを適用した。
(群C) 欠損は移植せず、対照として利用した3つの群に分けた。
 
Ossceram nano
60%のHAと40%のβ―TCPから成り、孔のサイズが250-450㎜で、多孔性は95%を超え、粒子サイズが0.8-1.5㎜の骨置換剤
Alveoprotect
ブタの真皮(1型及びⅢ型コラーゲン)から合成され、圧縮されたPHが中性であるコラーゲンメンブレン
術後15,30,45及び60日後にそれぞれ5匹づつ、過量の麻酔で屠殺し、移植したエリア全体が含まれる両脛骨部分をブロックで摘出して、組織形態計測学的分析とレントゲン的分析を行った。
結果
術後に行ったレントゲン分析によって、皮質骨欠損の封鎖は郡Bの方が群Aよりも多くエックス線不透過性は群Aの皮質骨欠損の方が群B よりも明白により低く、より不均一であったことが発見された。
群Cでは皮質骨欠損は封鎖されていなかった。
郡Bで新しく形成されていた骨と、皮質骨の封鎖は群Aと群Cのそれらとは有意に異なり、皮質骨ゾーンと髄様骨ゾーンで新しく形成されていた骨の密度はより高かったことが組織形態計測学的分析によって示された。群Cでは皮質骨欠損の封鎖も髄様骨の形成も認められなかった。
結論
GBRのための本試験材料は、期待を十分に満足させた。
Osseceramナノ粒子は、石灰化組織の形成を許す足場材としても機能した。
GBRのための障壁メンブレンとして機能しただけでなく吸収性メンブレンの添加物として、組織再生を高める可能性も示されたOsseceramナノ粒子とともに使用したこの吸収性メンブレンはメンブレンなしで治療した部位と比較して骨増加を高めた。
この治療法は、予知的な臨床アウトカムを達成できたと本研究での制限内で結論付けられる。これらの所見を裏付けるための、ほかの動物モデルによる更なる研究と、この新しいバイオマテリアルを試験するための、荷重の付与が関係する他の適用に関する研究が必要とされる。