単根歯の骨内欠損を治療するために利用される、最小限に侵襲的な手術で、EMD蛋白質が果たす役割。無作為対照付き臨床治験。

著者
Fernanda V Riberio 出展:J periodontal 2011 volume 82 Nnmber4 522-532
目的
骨内欠損の治療中におけるMIST+EMDの業績を、MIST単独の業績と比較し、適用した後の、臨床アウトカムとレントゲン的アウトカム、並びに、歯周再生と関係したマーカーの存在を、調べること。
材料と方法
本研究はthe Uninersity of Campinas Piracicaba SP Brazilの倫理委員会から認可され、被験者は2007年2月から12月にかけて集め、6か月後の追跡観察検査は全て2009年1月までに完了した。
取り込み基準は、慢性歯周炎の診断、PDとCALが5mm以上、BOP単根歯が1本以上存在、骨内欠損(デプス4㎜以上、幅径2㎜以上)のレントゲン的証明、全顎プラークスコア(FMPS)と全顎出血スコア(FMBS)が20%未満、歯周疾患の進行に影響しうる全身状況がないこと。
すべての患者に非外科的なスケーリング、ルートプレーニング、動機づけ、並びに歯周メインテナンス治療を行った。これらの処置は1名の術者(FVR)が行った。6か月後に取り込み基準を満たしていた患者を本研究に取り込んだ。
MIST+EMD群
すべての実験群へのアクセスをMISTによって得た。局所麻酔後に保存法で切開を入れた。欠損と関係した乳頭のみにアクセスし、垂直的な減張切開は入れず、全層弁を最小限に挙上した。
目で確認できた歯石を、ミニキュレットと特別なチップを付けた超音波装置で慎重に取り除いた。そして歯肉弁を再設置し、組織の第一封鎖が得られるよう、受動的なインターナルマットレス縫合を利用した。
MIST群:MIST+EMD群と同じ手順で治療を行ったが、EMDは適用しなかった。
結果
両群で研究の開始前に容認可能な口腔衛生が達成された。FMPSとFMBSは研究期間中一貫して20%未満で保たれ、統計的有意の実験群間差は観察されなかった。ベースライン時の骨内欠損部における平均PDとRCALに関する統計的群間差はなかった。
3カ月後の評価時に達成された、PDの減少とRCALの増加は、両群でベースライン時と比較して統計的有意であった。MIST群ではこれらの相違は、6か月後の評価時に維持されていた。その一方でMIST+EMD群ではPDの減少とRCALの増加は3カ月後に得た測定値よりも、統計的に増していた。
PDとRCALのパラメーターに関する有意の群間差はどの評価時においても、観察されなかった。レントゲン測定値に関する群間差は観察されなかった。6か月後に行ったレントゲン評価によって、ベースラインと比較した時の、CEj-BD測定値とBD―BC測定値の、統計的有意の減少が示された。
6か月後のCEJ-BCはベースライン測定値と比較して有意により長かった。評価した全ての測定値において統計的有意の群間差は観察されなかった。
GCF中創部治癒媒体レベルの測定OPGに関してはMIST+EMD群とMIST群で15日後にOPGレベルは明白に上昇したが、3カ月後にはベースライン時と比較した時の統計的相違は観察されなかった。
結論
骨内欠損の治療中に、最小限に侵襲的な外科アプローチのための付加的な利益を、EMDはもたらさなかったと、本研究の制限内で言える。しかし、6ヶ月後に観察されたアウトカムの安定性を検証するためには、より長い術後観察期間が必要とされよう。