重度インプラント周囲炎を統合的外科手術で治療し、2種類の表面汚染除去法を評価しながら、4年間追跡観察した。

著者
Frank Schwarz等 出展:J.Clin.Peiodontol2013、40 962-967
目的重度インプラント周囲炎欠損を切除手術と再生手術のコンビネーションで治療した後の長期アウトカムに対して2種類の表面汚染除去法が及ぼす作用を調べること
材料と方法
本研究では、重度インプラント周囲炎の統合的な外科治療の臨床アウトカムに対して、2種類の表面汚染除去法、つまりCPSとERLが及ぼす作用を調べることを目的とした前向き無作為対照付き臨床研究に参加した患者の長期(4年)追跡観察について報告する。
CPS
プラスチック製キュレット+コットン球+生食水ERL:Er;YAGレーザー
頬側面の骨頂縁上で露出していたインプラント部分をアクセスフラップ手術、肉芽組織の除去、及びインプラント整形で治療した17名の患者が48ヶ月の追跡観察期間を完了した。改質しなかった残りのインプラント表面エリアを無作為に2個の群に分けて治療し、天然骨ミネラル+コラーゲンメンブレンで増多した。
結果
CPS群とERL群の平均PI,BOP,PD,MR、CAL値とベースライン時から4年後にかけての変化は、48か月後に、CPSで治療した部位のほうが、ERL群よりも優る平均BOPとCAL値の減少傾向が示された。両群にて、臨床パラメーターは、初回の欠損形状に、直接は影響されなかった。ERL群では平均MR値はほぼ無変化であったがCPS群では粘膜高径が僅かに改善されたことで48ヶ月後には平均粘膜高径は僅かに増加したことが臨床観察によって頻繁に示された。つまり両群で平均CALは明白に増加したがこれらの変化はCPS群の方がより顕著であった。
結論
重度インプラント周囲炎を切除手術と再生手術のコンビネーションで治療した後の4年臨床アウトカムは表面汚染除去法に影響されなかった。
臨床的関連性、研究のための理論的根拠、重度インプラント周囲炎の外科手術、つまり、インプラントの整形+天然骨ミネラル+コラーゲンメンブレンによる外科手術後の、長期安定に対して、表面汚染除去法が及ぼす作用については分かっていない。
主要所見、Er;YAGレーザーで表面デブリドマン汚染除去を行った場合とプラスチック製キュレット+コットン球+生食水で表面デブリドマン汚染除去を行った場合の48ヶ月の治癒後に得られたBOPとCALの減少は類似していた。
実用的意義、重度インプラント周囲炎欠損の長期安定を維持するのに、切除手術と再生手術のコンビネーションは効果的でありうる。しかし臨床アウトカムは表面汚染除去法に影響されなかった。