クロルヘキシジンチップを複数回適用することで、インプラント周囲炎を治療する

Treatment of peri-implantitis using multiple application of chlorhexidine chips: a double-blind, randomized multi-center trial
クロルヘキシジンチップを複数回適用することで、インプラント周囲炎を治療する
J Clin Periodontal 2012
Machtei EE
目的
インプラント周囲炎に罹患している部位の、クロルヘキシジンチップを集中的に適用するという新しい治療術式を調査すること
材料と方法
本多施設無作為2重盲平行2アーム臨床治験は、1-2本のインプラント周囲で、プロービングデプス(PD)が6-10㎜、骨喪失量が2㎜以上であった、60名の患者(77本のインプラント)を取り込んだ。SRP後1-2週間目に、ベースライン測定を行った後、インプラントをデブリドマンした。患者をマトリックスチップ(matrixC)を適用する群か、あるいはクロルヘキシジンチップ(PerioC)を適用する群に、無作為に割り振った。測定とチップの交換を2.4.6.8.12及び18週目に繰り返した。6ヶ月後に患者をリコールした。
結果
プロービングデプスの減少量は、perioC群の方が(2.19±0.24㎜)、matrixC群よりも(1.59±0.23㎜)、より多かった(P=0.07)。PDが2㎜以上減少したインプラントの割合は、perioC群だは70%、MatrixCでは54%であった。同じようにPDが3㎜以上減少したインプラントの割合はPerioCでは40%、MatrixCでは24%であった。臨床付着レベルの増加は、有意により大きかった(それぞれ2.21±0.23㎜と1.56±0.25㎜、P=0.05)。両群にてプロービング後の出血は半分まで減ぜられた。
結論
PerioCとMatrixCの集中的な適用からなる治療術式は、インプラント周囲炎に罹患していた部位のPDを大きく減少させ、CALを増加させ、BOPを減らした。
これらのチップがインプラント周囲の炎症を減じる際の作用機序を完全に理解するために更なる研究が必要である。